システム開発の請負 4/15

  今回は、システム開発プロジェクトの特に請負開発に焦点をあわせてみます。さまざまな業種で様様なプロジェクトが動いていますが、今の日本では、多かれ少なかれどんな業種でもサービス業としての一面をかならず持っています。なかでもシステム開発は製造業、建築業そしてサービス業としての側面を強く持っているので、他の業種でも参考になると思います(以前ゼネコンの業務分析をしたときにソフトハウスと非常に似ていてびっくりしたことがあります)。

 システム開発の請負は大きく分けて

メーカさんが自社商品のために作成するシステム=ソフト
ユーザ企業の業務システム(会計、営業支援等)

の2つに分かれます。今回は特に業務システム開発の請負について述べたいと思います。

 数年前までは、日本企業は業務システムに関しては、パッケージソフトではなく、自社開発にこだわっていました。会計ソフトでさえ、自社開発、それも中小企業でさえ自社のやり方というものにこだわり、自社開発もしくはパッケージソフトの大幅なカスタマイズを行っていました。そこで、請負側は、企業毎に一からソフトを開発してきました。

 しかし、欧米ではSAPなど業務システムの一括パッケージを導入する動きが急で、日本でもおおきな企業では導入しはじめているところもおおく、また、会計ソフトなどのパッケージソフトは中小を中心にカスタマイズもせずそのまま導入運用をはじめています。

 結局、業務システムは自社の戦略に直接かかわるシステムと、どんな企業でもかならず必要とする間接部門のシステムにわかれます。そして間接部門のシステムは、パッケージをそのまま導入運用したほうが、結局は開発+運用コストが安くすみます。

 そこで、今後システム開発の請負は、

パッケージ化+運用代行
戦略システムの自社開発の支援

の2つに分かれていくと思います。

そして、パッケージ化+運用代行は開発の一部はオープンソース化され、お金の回収は運用代行と言う形になるでしょう。

戦略システムは、対応業種に関する知識・提案力をユーザ以上にもとめられていくでしょう。

どちらにいくにしても、ソフト開発の比重は下がっていきますが、同時に品質に関してはより厳しくなっていきます。まさに、システム開発受難の時代に突入していくでしょう。ソフト開発の品質向上のためにより開発ツールの選択とシステムのライブラリ化がもとめられ、また、このライブラリ部分のみの商売も成り立つと思います。

 どちらにしろ、システム開発請負業で大事になっていくのは、ソフト開発より、お客様がなにを求めているのか、それをいかに提供すればいいのか、まさにサービス業としての視点が必要になっていきます。